-雨音-
大好きな歌もそろそろ聴きあきた頃
生まれてずっと聴いているはずの
雨音に気をとられた
今日は君の家に向かう 土曜の午後
恥じもせず黄色いかさで一人
雨音を聞きながら歩く
今朝まで話題が浮かばなかったど
傘を塗らした犯人を頼りにして
明るい鼠(ねずみ)色の空から
土があることを信じて降ってくる
残念ながら僕に落ちた雨は
仕方なく僕と話してくれたんだ
その時思い出した
転んで泣いてた僕を誰よりも
先に慰めてくれたのは あの日の夕立だったことを
明るい鼠色の空も
役目を持ち降ってくることも
慰めてくれたことも全部
今日君に教えようと決めた
雨は悲しみの涙なんかじゃないことを